無線LANのセキュリティ 考えたこと有ります?

 
 以前、知人がアパートに引っ越した時、初日からネット接続してメールのやり取りをした。ここで不思議に思ったのが、引っ越し当日からネット接続できるようにしていた所である。普通なら電気・ガス・電話が先で、ネット接続は後回しにされやすい(もともとネット設備が完備されたマンションタイプなら話は別なんだが)。
 
 メールじゃらちが明かない会話内容になったので、結局電話をした。そこでネット接続の疑問を振ってみた。
  
 そしたら・・・、なんと・・・、その知人は無線LAN搭載のPCを窓際に置いて、ご近所さんの無線経由でネット接続をしているというではないか(唖然)。
 
 盗電ならぬ盗電波とでもいおうか。
 
 念のため書いておくが、それを聞いた私としては、『法に触れる行為は慎まれた方が良いですよ』と伝えたし、その後無事に自宅(アパート自室)にネット回線を引き込んだようである。といっても、盗電は犯罪になるというのは知っているが、無線LANの盗電波・借用電波(?)行為は法的扱いはどうなのかは分からない。
 
 これは昨年の話なのだが、何故今思い出したかというと、こんな記事が出ていたからである。
 

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080126/292105/
利用率7割のWEPは「1分」で破られる より引用
 
 IEEE 802.11a/b/gの無線LANには3種類のセキュリティ規格がある。WEP(wired equivalent privacy),WPA(Wi-Fi protected access),WPA2である。データを暗号化することで盗聴から保護し,有線メディアと同等のセキュリティを確保することが目的である。
 
 ただ,2007年末に都内某所で調べたところ,受信できる無線LANの電波のうち,暗号化されていないものが16%,WEPでの暗号化が69%存在し,いまだにWEPが広く使われていることを再認識することになった。WPA/WPA2という最新の仕組みを利用しているケースはわずか15%。WEP のぜい弱性を考えると,多くのユーザーがいつ第三者に不正利用されてもおかしくない状況にある。

 
 およそ7割がセキュリティ遅れの無線LANを使用している・・・。この数字だけでも漠然とした不安をあおられる。
 
 私自身、無線関連の仕組みに詳しいわけではない。ただ、上記の知人の例のように無線が強すぎて他所まで及んでいることを考えると、(出来るか出来ないかは別として)盗聴とかそういうセキュリティ面ではかなり気になる。
 
 オフィスビルなど、1つの建物に1社しかない場合などは、アクセスポインタを複数置いても同社内での混線があるかないかだろう。でも、オフィスの隣が別会社となると、異なるIPアドレスなどで強い電波同士で混線してもオカシクナイ・・・と思う。
 
 人伝手に、隣のオフィスのネットワーク内に入れてしまったという話を聞いてゾッとしたのを覚えている。以前、大学研究室に所属していたとき、各研究室ごとにネットワーク構築をしていた。しかし、ウィルスアタックなどでメインネットワーク機がイカレテしまうと、同様の混線エラーになった(これは数年前の話である)。
 
 自宅では無線盗聴とかあったら嫌だなぁ〜という『感覚』で、今でも有線LANで各マシンを接続している(もちろんケーブルも長いものを切っては、かしめ機を使って本数を確保している・・・なんともアナログチックな私である)。
 
 ただ、上記の大学のシステムで、ネットワーク共有の混線があったことを思い出すと、有線LANなら大丈夫というわけでもないだろう。といって、無線LANも下記のようなことがあるので、慎重に取り入れなければならない。
 

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080126/292105/  より引用
 
 アクセス・ポイント製品にはMACアドレスでのアクセス制限やSSIDを秘匿する機能も実装されているが,どちらの情報も無線上を流れるパケットに暗号化されずに格納されるため,攻撃者はパケット・キャプチャなどによって容易に情報を入手できる。MACアドレスに関してはソフトウエアやファームウエアで書き換えることができ,本質的な対策にはならない。

 
 アクセス・ポイントとは、いわゆる中継機である。極端な話、強い無線LANでも1階と10階ではさすがに電波が届かないので、中継してもらうわけである。また有線ポートに接続して、有線LANシステム内でも無線LANが使えるようにすることもできる。 
 
 肝心なのはMACアドレスなどが暗号化されていないことだろう。
 
 以下は分かりやすさのため、ぶっちゃけた説明をする(詳しくは各単語で調べてくださいな)。
 
 IPアドレスは聞き及びの方も多いだろう。IPアドレスとは、ネット接続する際の各お宅やオフィスに割り当てられた、その接続ポート自体のアドレス(住所)である。今日はAさんのノートPCをつないで、明日からBさんがそのポートを使っても、IPアドレス自体は変わらない。逆にAさんがノートPCを自宅で繋いだら、IPアドレスは自宅のものになる。だが同じPCを会社で繋げば、IPアドレスが変わるのである。
 
 一方、MACアドレスというのは、ネット上に存在するマシン(PCや先のアクセスポイント等のハード)に割り当てられるアドレスである。偽装工作する輩もいるようだが、普通に使っている人にとっては、どこからネット接続しても、同じPCでネット接続すれば同じアドレスなのだ。
 
 クラッカー(ハッカー)からみれば、MACアドレスを見てネット上の活動を監視すれば、誰がどんな事をしているかが分かってしまう(かもしれない)。下手にネットカフェなど無数の人が使うPCで、カードでネットショッピングするのが危険なように、(おそらく)犯罪のプロにとって、個人情報を得るのにMACアドレスその他の情報漏えいはオイシイ話だろう。

 (といっても、クラッキングされたことがないし(されたくもないが)、実体験なしで実態を知らない。なので、個人情報を収集したり特定PCを攻撃するために、この無線LANセキュリティの穴を常套手段として使っているのかは、私の想像の域を超えない)。
 
 
 無線LANなどの無線システムは現在の生活に欠かせないツールになっている。それはオフィス場面だけでなく、個々人の家庭やプライベートシーンでも言えるわけである。どの無線LANシステムなら安全か・・・、と問われれば、現時点では上記記事の『WPA/WPA2』をセキュリティに使用しているかを確認すればよいであろう。
 
 ともあれ、楽な方に生活は流れていくが、安全面をお座なりにするのはヨロシクナイ。
 無線LANに関しては、WPA/WPA2というセキュリティシステムの普及で、 暗号化などがキッチリされることがセキュリティの要となろう。